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知っていたことだから蜜子も覚悟はしていたし、食べ切ったことで娘が喜んでくれたならなによりだ。
さて、ララを攻略できたなら後はシゲキとシンのカレーだ。これらはもう敵ではなかった。二人のカレーも食べ終えると、息子たちも笑顔になった。こういうときは、母親として幸せだなあとしみじみ思う。
食後の穏やかな時間になって、ようやく夫のジョロキュアが帰ってきた。片手にケーキの箱を持っていることから、遅れた理由はなんとなくわかった。
どうにかこうにか苦手な辛い物を攻略した後だ。今は蜜子も、甘い物で口直しをしたい気分だった。
「蜜子、誕生日おめでとう」
気安い笑顔でケーキの箱をテーブルに置いたジョロキュアに、蜜子の頬も自然とゆるむ。
「ありがとう。開けてもいい?」
「ああ」
どんなケーキだろう。それともタルト? ワクワクしながら開けてみると、出てきたのはなにやら、全体的に赤いクリームで覆われたケーキだった。
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