辛杉家の憂鬱 蜜子編

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「これはなに?」  不思議に思って問いかけると、ジョロキュアは胸を張って答えた。 「かねてから食べたいと思っていた、ダイナマイトケーキ店のハバネロケーキだ」  こう、どうしてどいつもこいつも。子供たちだけならまだしも、なんでこう、どうしてこう。  かつてなくきつく拳を握りしめた蜜子は、ジョロキュア目がけて思いっきりそれを突き出した。 「チェスト―!」 「ぐはあっ⁉」  蜜子渾身のボディーブローに、さすがのジョロキュアもひっくり返った。 「ケーキは甘いのしか認めません! 以上!」  力の限り叫んで、リビングを出て行くのだった。
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