5人が本棚に入れています
本棚に追加
はふはふと、ホット野菜サンドを食べ、熱々のカプチーノを「あちちっ」と言いながら啜る。美味しいと、またここに食べに来ようと心の中で小さく決意する。
「あ、そうだ」
私がテラス席にいること伝えなきゃ、カプチーノちゃん分からないよね。いついつの間にか店内は私と同じ年くらいの女性でいっぱいになっていた。お洒落なキラキラした女性ばかりでつい自分のワンピースを見る。…うん、このワンピースだって可愛いよ。大丈夫。ちょっとだけ凹みそうだった私の気持ちをなんとか持ち直す。ゲームの画面を開き、テラス席にいることを伝えるとすぐ返事が返ってきた。「今、店の前にいます」だって。自分から誘っといてなんだけど緊張してきたよ…。
「えっと、ココアさんですよね?」
緊張してスマホをいじりながら俯く私の頭の上から低くて綺麗な声が聞こえた。女の人でも声が低い人はいる。けどその声は明らかに男性の声だった。「え」
カプチーノちゃんって女じゃないの?驚いて顔を上げるとビシッとした品の良いスーツを着た私と同じ年くらいの男性がいた。イケメン過ぎるのか店内にいる女性たちがちらちらとテラス席を見ている。
「えっと」
軽いパニックを起こす私に男性は申し訳なさそうに眉を下げた。
「はじめまして。カプチーノです」
最初のコメントを投稿しよう!