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私だけじゃなく、カプチーノちゃん、いや佐々木さんもあのゲームの時間を楽しみ大切いしてくれていたんだ…。カプチーノちゃんが男だと分かっても嬉しかった。胸の奥がじんわりと温かくなる。
「好きな食べ物、今日作った料理。おすすめのカフェ。泣ける映画の話。きっとこの先に会うことないだろうと思っていた相手なのに上っ面の会話じゃなくて、心から分かるなあって思ったし、もっと話したいとも思いました。こんなに気が合う人なんて生まれて初めてかもと思ってしまったぐらいに。君が会いたいと、会ってちゃんと友達になりたいと申し出てくれたとき本当に嬉しかったんです。でも会ったら、女の子が好きなゲームをやってる男が目の前に現れたら、嫌われると思って今日、会うことがすごく怖かった。
そして佐々木さんは伝票を持って席を立つ。
「…もう会えなくなっちゃいますね」
佐々木さんは今まで会った人と同じ反応すると思ったのだろう。思いっきり顔を背けて足早に私から去ろうとした。
なんでよ。なんで逃げるのよ。私はあなたの今まで会ってきた人と違うよ。ちゃんと仲良くなりたい。あなたにとって人生で一番気の合う人が私だったように私だって…。
「私の気持ち、決めつけないで!私はゲームの中のカプチーノちゃんじゃなく、今、目の前にいる佐々木さんと友達になりたいよ!」
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