オンラインゲームの友達

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「あなたぐらいだと思います。こんなにまっすぐありのままの俺をおかしくないと言ってくれるのは。嘘偽りないその目を見て確信しました。だから…俺のほうから友達になってほしいです。さっきはあんなこと言ったけれど、やっぱりこれでサヨナラは嫌です」 凄く真剣な表情で言う佐々木さんの目が不安げに揺らぐ。私は佐々木さんの右手を両手でぎゅうっと握った。その不安を取り除くように。 「敬語」 「?」 「友達だから、もう。だから敬語ナシ。堅苦しいのもナシ。OK?] 「…OK」 佐々木さんが初めて言葉を覚えた子供のようにOKと言う。その言葉に私は満足して大きく頷き、 「あと私の名前は松田萌。友達からは萌って呼ばれてるけど…。呼び方は任せるね」 「…分かった。萌さん」 「ん」 「でも俺のことは武蔵っていう名前、親には悪いんですが好きじゃなくて。だから…」 ほら、俺いかにもな、鋭い武士感ないでしょ?と困惑気に言う。私は少し考えて可愛いニックネームを思いついた。
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