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「リアルの友達になりたいって言ってくれて嬉しいよ、すごく」
ニコニコと画面上のカプチーノちゃんが話している。けれど話の内容が暗い。
「…あれからすごく考えたけど、リアルで会って後悔すると思う」
「そんなことない!」
私はすぐコメントを返した。カプチーノちゃんとゲームで出会えたから仕事だって頑張れた。失敗しても泣きたくて辛い日々だってゲームしたらその日の最後はちょっとでも笑顔になれた。リアルの結婚して家庭持ちの友達に羨ましがることもいつの間にかなくなっていた。充実していたんだ、カプチーノちゃんとの時間が。これでもしお別れとかになる方が辛い、辛すぎる。考えたくない!
「本当に?」
念押しのようにカプチーノちゃんが聞いてきた。心配性だなあ。本当に大丈夫だから、信じてよ。
「カプチーノちゃん、前、土曜日はお仕事、休みって言っていたよね?私も土曜日休みだからさ、駅前のカフェでお茶しよ!カプチーノちゃんに予定があってもなくても私朝から行くから、待ってるから!」
強制的に約束を取り付ける。嫌われていない安心感からさらにもう一歩、行動に移すことができた。
「…その日、仕事が急に入ったから夕方には行けると思う。だけどやっぱり会いたくないと思ったらいつでも言って。ココアちゃんが後悔しないためにも」
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