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「この度は本当にすまない、トミテ」
王子はトミテに頭を下げる。
「王子、頭を上げて下さい。王子のせいではありません。ニールから事情は聴きました。仕方のないことです。王妃になると言うことはこのような危険な目に遭うことも承知の上で、セリーナはこの話を受けたのです。王子が謝る必要はありません」
「ありがとう、トミテ」
セリーナは幼いところもあるが、賢い娘だ。トミテの言うように覚悟を持って自分のところに来てくれたのかもしれない。それなのに、セリーナを守れないどころか傷つけるような失態をした自分が情けない王子。
「セリーナはいつ目を覚ますだろうか?」
一刻も早くセリーナの誤解を解いて、謝りたいと王子は思っていた。
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