春の風

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セリーナが目覚めたと言うニュースはすぐに王城内に広まり、皆喜び合い、涙を流すものも大勢いた。 セリーナは起きてすぐに食事もとれたし、湯にも浸かり、身体に異常はなかった。 王子は湯上がりのセリーナに美しいドレスを着せた。セリーナの瞳の色に似たマリンブルーのドレスはとてもよく似合っていて、ウエスト部分のリボンは、王子のマントと同じ色と素材でできている。 王子は美しく着飾ったセリーナを三日月が浮かぶバルコニーへ連れ出した。 まだ体力がないセリーナを椅子に座らせ、自分はその前で跪いた。 「セリーナ。君は眠る前何があったが覚えているかい?」 「はい…、覚えています」 セリーナの表情が曇った。 「聞きたくないかもしれないが聞いてほしい」 王子はセリーナの手を取って言うと、セリーナはゆっくと頷いてくれた。
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