春の風

13/15
90人が本棚に入れています
本棚に追加
/306ページ
「ん?セリーナも同じなのかな?」 王子は愛しげにギュッと抱きしめる。 「違います。…いや、違わないけど、恥ずかしいんです。王子が甘い言葉を言うから」 「可愛いな。照れているのか?可愛すぎるな」 「だからもうやめてください。恥ずかしいです」 「ん?顔が赤いな。それもリンゴみたいで可愛すぎるぞ。そんなセリーナも好きだ」 「だからやめてって言ってます!」 全然わかってない王子は「可愛い」とか「好き」とか連発する。セリーナはまた倒れて眠っちゃうんじゃないかと思うほど、顔が熱かった。 「すまない、許せ。この数ヶ月伝えたかった思いが溢れているのだ」 「…ありがとうございます」 セリーナはニールからどれだけ王子が献身的にセリーナを看病したのかを聞いていた。
/306ページ

最初のコメントを投稿しよう!