クマ失踪注意!!

2/8
前へ
/8ページ
次へ
超ガッカリ顔。 ショッキングピンクのパーカーにヒョウ柄のショートパンツ、 紫のタイツを履いた、厚化粧のオバさんが、ロッタの落とした ぬいぐるみの耳をつかんで持っている。 「なんだ、若づくりのオバさんかぁ…」 「何よ、失礼な子ね!そのガッカリ顔だけで、あとは説明不要だっての!」 「よくとーちゃんがかーちゃんに言ってるんだ」 「ひどいお父さんね。ホント、親の顔が見てみたいって、こういうこと…」 「わりとイケメンだよ、とーちゃん」 「許すっ!!」 ぬいぐるみを押し付けるようにロッタに返す、オバさん。 「これじゃあ、全然『出会い』につながらないよぅ…」 「何ナマイキなこと言って!私にイケメンパパ紹介すれば、立派に『出会い』 じゃない?」 「うちのとーちゃん、かーちゃんが落とした財布拾ったのがきっかけで 結婚したんだって」 「フン、金がきっかけだなんて、どうせロクな出会いじゃないんでしょ?」 「どうかなぁ…、とーちゃん、その拾った財布に自分の免許入れて返したんだって」 「なんだかなぁ…、ある意味誠意は感じられるけど、結局… 顔で釣ったんかい!そんなんで長続きするわけないって、ね」 「でも… …ボクが生まれて『ロク』な出会いになったって…」 「…何それ、実話??」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加