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超ガッカリ顔。
ショッキングピンクのパーカーにヒョウ柄のショートパンツ、
紫のタイツを履いた、厚化粧のオバさんが、ロッタの落とした
ぬいぐるみの耳をつかんで持っている。
「なんだ、若づくりのオバさんかぁ…」
「何よ、失礼な子ね!そのガッカリ顔だけで、あとは説明不要だっての!」
「よくとーちゃんがかーちゃんに言ってるんだ」
「ひどいお父さんね。ホント、親の顔が見てみたいって、こういうこと…」
「わりとイケメンだよ、とーちゃん」
「許すっ!!」
ぬいぐるみを押し付けるようにロッタに返す、オバさん。
「これじゃあ、全然『出会い』につながらないよぅ…」
「何ナマイキなこと言って!私にイケメンパパ紹介すれば、立派に『出会い』
じゃない?」
「うちのとーちゃん、かーちゃんが落とした財布拾ったのがきっかけで
結婚したんだって」
「フン、金がきっかけだなんて、どうせロクな出会いじゃないんでしょ?」
「どうかなぁ…、とーちゃん、その拾った財布に自分の免許入れて返したんだって」
「なんだかなぁ…、ある意味誠意は感じられるけど、結局…
顔で釣ったんかい!そんなんで長続きするわけないって、ね」
「でも…
…ボクが生まれて『ロク』な出会いになったって…」
「…何それ、実話??」
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