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「青田買い!」
「え?ウチ、青田『刈り』かと思ってた。頭いーね、ボクちゃん」
「ボクちゃんじゃない!六太だよ!みんな『ロッタ』って呼ぶけど」
「ロッタね。ウチ、雅(ミヤビ)。友達は『マサ』って呼ぶけど。しかし、
ロッタといえば、ブタ…じゃない、クマ。どーした、クマは?」
50mくらい先に、二足歩行のクマの後ろ姿、発見!
たまたま、おあつらえ向きに道端に乗り捨ててあった、補助輪付き自転車。
気づいたロッタは、むしろ歩いたほうが早そうなスピードでこぎ出した。
追いかける、というか、自転車を後ろから押して歩く、雅。
「ロッタなのに、青い自転車なんだけど…」
ちょっと納得いかなそうな、雅。
ほどなく、クマに追いついた。
「クマ!!」駆け寄ろうとするロッタ。
クマはおびえた様子でかわし、雅の背後に隠れる。
「なんか怖がってない?クマのくせに…」
と、雅はクマを抱き上げ、
「フツウ、クマって狂暴なんじゃないの?」
首を激しく横に振るクマ。
その薄汚れた体をマジマジと眺めた雅は、
「もしや、DV?」
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