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「補助輪なんかなくったって、乗れるんだ!」
ロッタは補助輪をガンガン蹴りながら、
「ジャマだ、ジャマだ!エイ!」
その様子を見たクマの顔色が、急に青ざめる。
「どした?クマ?」気遣う、雅。
わなわなと震える手で、頭を抱えるクマ。
その頭の中では、おもちゃが散乱した部屋で床に転がるクマを、
「ジャマだ、ジャマだ」と蹴散らすロッタの姿が思い浮かべられている。
それをテレパシーで感じ取った雅は、
「よし、わかった!ウチの子になりな!」
ロッタはその声に振り向き、
「えっ?ボクが?」
「ちがーう、クマだよ」
「ヤだよ、ボクのクマ。
だいたい、オバさんみたいな頭わるい人じゃ、心配だよぅ」
「オバさん言うな!」
「ボクより年上なら、みんなオバさんなんだよ!」
「じゃ、アタシも?」傍らで聞いていた女の子が、口をはさんできた。
同時に振り返ったロッタと雅は、フリーズ。
我に返った雅は、
「ウチ、頭はわるいかもしんないけど、弱いモノに暴力ふるわないもん。
ロッタも『先取り学習』すんのはエライと思うけど、もっと先に学ぶこと
あるんじゃね?お片付けとか、思いやりとか?」
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