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選定の指輪に選ばれたクロエは、そのままガブリエルと婚約をした。
辺境男爵の娘である彼女には、拒否権なんてなかったのだろう。
ガブリエルからの熱心なプロポーズに悩んだ末、リュカの病気を治療すること条件にクロエは王室に入ることになった。
「おめでとう、クロエ」
「あまり嬉しくはないんだけど、ありがとう」
婚約式、その準備に追われているクロエ。
隣には兄であるリュカの姿もある。
学校の大講堂で二人の婚約式は行われるのだ。
クロエが指輪に選ばれたことは、その日の内に学園中に知れ渡った。
パーティーの最中に主役二人が抜けてクロエに会いに行ったという事実もある。
婚約式は結婚式と違い、お互いが婚姻を結ぶことに了承していることを皆に知らせるための式だ。
「我が息子・ラファエルと、シャロン男爵令嬢・クロエの婚約を認める」
国王による宣言が下り、婚約式は幕を閉じる。
温かい拍手と、祝福の言葉が二人を包んだ。
FIN .
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