七色の指輪

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「じゃあ、僕から説明させてもらうことにするよ。僕はラファエル、そして彼は兄のガブリエル。エール王国の王族だよ」  金眼が第1王子のガブリエル、薄氷が第2王子のラファエルだ。  王立学園では、一般生徒と変わらずに過ごしているが次期国王と宰相になる2人である。  王都で彼らを知らないものはいないのだが、国境沿いの田舎貴族であるシャロン兄妹は、王子たちの名前しか知らなかった。  驚いたクロエにラファエルがくすりと笑う。 「今君の指にあるのが、王家の宝具のひとつ『選定の指輪』だ。王族が魔力を込めることで、魔力を込めた者の伴侶を選定するんだけれど……」 「だから、結婚してくれといったんだ」 「話がややこしくなるから、兄さんは黙っていて」  突然のことにツッコミが追い付かないクロエ。  そこにガブリエルまで口を挟むので、ラファエルの笑顔が黒くなる。 「今夜、この学園で行われるダンスパーティーで、兄さんの婚約者を選ぶために魔力を込めてあったんだよ。その指輪に」
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