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3章:ゲーム
完全に寒気がした。学生時代のバイト先の先輩に、こんな風にストーカーされたことがある。気持ち悪かった。超絶気持ち悪かった。最後にはうちに押し入ろうとして、すんでのところでたまたま帰ってきた隣の住人が助けてくれて…。
そんなことを思い出して、泣きそうになる。帰りを待たれるのは、私にとって怖い事なのだ。
でも、さっき会社で副社長に抱きしめられた時、イライラが勝って、性的な気持ち悪さや嫌悪感はなかったような…。なんで? っていうか、いやいやいやいや、ちがうちがうちがう! どっちにしろこいつが最低最悪の変態なのには変わりない。
「なにやってんですか! ストーカーですか!」
私は思わず副社長に言う。なのに副社長はこともなげに、
「ん? 一緒に帰ろうって言ったのに帰ってくれなかったから」
と謎な理由を私に告げた。
「いみわかんない!」
そもそも、なぜ私がそのお願いを聞かねばならないのか…。これってパワハラではないのか…。私が睨むと、副社長は、ふふ、と笑って、
「そんなに怒らないで」
(眼鏡とって脱がせたら、まぁいけるか……)
その心の声にぞわっと一瞬で寒気が走る。顔が真っ青になったのが自分でもわかった。
―――あんた何考えてんだ!
「いやいやいやいやいや!」
――――ありえない! ありえないありえないありえない! 絶対頭おかしい!
「お願いですからもう金輪際構わないでください!」
私がおびえているというのに、その様子を見ていた副社長は、ふふふ、と楽しそうに笑う。何笑ってんだ! あんたは!
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