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 「あの……私、誰かにこのを譲りまs……あれ?」  よく見ると、男は眠ってた。  人前であるにも関わらず、豪快によだれを垂らして  静かに寝ていた。  「だ……大丈夫ですか?」  「ふぁっ!? あぁ、すいません!  私としたことが眠ってしまいました。 申し訳ございません」  望の声で起きた男は、よだれを恥ずかしそうに吹きながら  謝罪した。  「あの……失礼かもしれませんが、  相当寝てないんじゃないですか? 隈も凄いですし……」  流石に心配になった望。  表情はとてつもない笑顔だが、かなり闇を抱えてそう。  そんな男放っておくわけにはいけないお節介やきの望。  「……お恥ずかしながら、最近仕事続きであまり眠れてなくて。  最近は私達の世界は問題が山積みでございまして、  それの処理で皆バタバタしているんです」  神の世界は意外とブラックな状況だった事にまず驚いた望。  勝手なイメージで、神の世界は苦しみも何もない  平和な所だと思っていた望だが、案外人間界(ここ)と変わらない。  いや、もしかしたらもっと酷い場所かもしれないと  軽く夢も希望も砕かれたのだった。  「休日とかは無いんですか? お給料は?」  「休日は無いです。 毎日仕事仕事で……。  給料もそこまで割に合ってるわけではないですし」  「その……大変ですね」  「アハハ、でも私家族が居るのでその分頑張らないと!」     
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