8人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「驚かれるのも仕方ありません。
人間界では私の様な名前の方はまず居ませんからね」
「はぁ、そうですk……ん、人間界では?」
「まぁ、単刀直入に申し上げますと、私は神の世界から来ました。
神の使いというやつです。 つまり人間ではございません」
望の脳みそは一時的にフリーズした。
神の世界? 人間じゃない?
この人は一体何を言ってるのだろうかと混乱していた。
「あぁっ! 混乱させてしまいましたよね?
キチンとご説明させて頂きますのでご安心を」
何を安心すればいいのかイマイチ分からなかった望だが、
正直この混乱が収まって頭スッキリしたかったので
何も言わないことにした。
「え~、皆様驚かれるのですが……主様……
皆様の言う神様は実在しててですね、ひび世界を維持するため
働いておられるんですね。
しかし神様は人々、つまり皆様の信仰心がなければ
存在できないため、私たち神の使いを生み出して
信仰向上委員会を設立させたんですよ」
「は、はぁ……」
やはりまったく理解が追い付いて来てくれなかった。
神様が居るだとか、信仰心うんぬんかんぬんの話を
突然言われても「あぁはいそうですか」と納得できるのは
そうとう心が広い人位なものだ。
「えっと……それじゃぁ、その、
なんちゃらキャンペーンっていうのは?」
「そう! こちらはですね、少しでも皆様に信仰心を
抱いて欲しいという事から始めた月一のキャンペーンでございまして、
何でも一つだけ神様に願いを叶えて貰えるというものでございます」
ニコニコと語り続ける男に対し、望は( ゚д゚)ポカーン
とした表情を浮かべながら話を聞いていた。
理解しようとして頑張った結果がこの表情である。
数学の二次関数とかのグラフ見てるより頭が痛くなってきて、
段々嘘とかホントとかどうでも良くなってきた望は、
今後は頭を空っぽにして話を聞こうと決意した。
最初のコメントを投稿しよう!