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「で、でもまた何故私のところなんかに来たんですか?」
頭を空っぽにしても消えない疑問。
何故約72億人もいる人類の中から選ばれたのかが望には謎だった。
別に流れ星に早口で3回願い事を唱えたワケでも、
七つの光る玉を集めたわけでも無かった。
「抽選で当たったのが貴方様だったんですよ!
対象者は毎回ランダムで選ばれますからね」
つまり約72億分の1の確立を見事引き当てたのだ。
望は「嬉しい」というより「不安」があった。
そんなとんでもない確率を引き出すなんて、
一体何十年分の運を使ったんだろう……と。
「それでは早速ですが……貴方様の願いを一つだけ
お伺いいたしましょう」
「……え、あ、どうしよう」
いきなり、『何でも願い一つ叶えるよ』
なんて言われたら誰でも困るだろう。
願いは確かにあるハズだが、いざ聞かれたら中々出てこないものだ。
もちろんそれは望も例外ではない。
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