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金さえあれば
まず望の頭に浮かんだのは
可愛い洋服、
学校の陽キャグループが付けているようなキラキラしたアクセサリー、
好きなアーティストのCD、
山ほどの漫画と小説、
欲しいけど中々の値段がする好きなキャラのグッズ等々。
ただ、冷静に考えるとコレはお金さえあれば解決する事。
ホントに一つだけの願いがこんなので良いのか疑問だった。
じゃぁ、お金が欲しいと願うか。
しかしそれは違う気がした。
望はいつも母にこう言われていた。
「お金はね、自分で働いて稼ぐからこそ意味があるの。
人のお金で食べたり、手に入れたものには何の情も湧かない。
だから、大人になったら働いて、稼いで、物を手に入れなさい」
一見すると名言感をかもし出しているが、
コレは望の母が望のおねだりを回避するときに使う言い訳
であるため、望にとっては少し残念な言葉である。
しかもあながち間違ってはないため反論も難しい。
「ん~……迷ったら捨てる、か」
望は物をお願いすることは止め、別の願いを探した。
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