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お願い
「う~ん……決まんない」
かれこれ1時間悩みに悩んでいる望だが、
一向に決まる気配がない。
何が一番72億分の1の確立に相応しい願いなのか、
まったくわからなかった。
「もし無いのであれば、他の誰かに選択権を譲る事も
可能でございますが……どうしましょう?」
その手があったか。
望はハッとした。
自分で決められないならいっそ他人に
この権利を上げてしまった方がいいのではないか。
1時間かけてようやくしっくりくる答えだった。
もしかしたら自分より境遇の悪い人に当たるかもしれない。
そんな人の方が願いを上手く使ってくれるハズだ。
そう考えた望は男に権利を渡すことを伝えようとした。
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