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俺は今、とても後悔している。
半年前の自分に言ってやりたい。
絶対に、隆也をキャプテンにするなよ、と。
隆也のせいで、俺らの野球はめちゃくちゃだ。
隆也は自分のことばかりで、野球部のことなんて全く考えていない。
打順だって自分がどれだけ活躍できるかだけだし、ポジションだって誰にも相談せず1人で勝手に決める。1、2年の部員だって素質があるは多いのに育てられない。部活の時間も驚くほど早く終わらせ、片付けもせずに1人で帰る。俺たち他の3年は片付けをしていると言うのに。多分隆也はそのことを知らないのだろう。いくらキャプテンだって、いや、キャプテンなのに絶対におかしい。
隆也じゃなきゃ誰でもいいから、今すぐにキャプテンを変えたい。
ちょっと他より野球が上手い。天才とか言うレベルじゃない。小学生の頃からそうだった。
隆也とは小5から同じクラスで今までずっとそうだ。
隆也は喧嘩も強くて逆らうとクラスや学年で1人にされるから隆也の前ではみんな作り笑いをしていた。
運動はできるが勉強ができない馬鹿な隆也はそのことに気づかない。もしかしたら一生そのことに気づかないかもしれない。
去年3年生の先輩が引退し、立候補と多数決でキャプテンを決めることになつた。3年は4人しかいなかったし、積極的なのが隆也しかいなかったから即決だった。隆也はとてもうれしそうだった。
俺は人の前に立つ事は苦手だったし、みんなをまとめられるか自信が無かったから、正直その時は誰かが引き受けると言っていてほっとした。
それに隆也もキャプテンになれば少しは責任感を持って、みんなのことを考えるようになると思ったからだ。
俺は、そんなことを0.1秒で考え隆也に投票した。あと2人も似たようなもんだだと思う。
その結果が今。真逆だ。
キャプテンという部員中で最高の絶対的な権力を手に入れた隆也は、『見えない圧力』が作用しない顧問をもその地位を使って押さえつけ、自己中行動をエスカレートさせていった。
俺達は、甘かった。1、2年にも申し訳ないと思っている。
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