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はじまり
「 ごめん、もう別れよう 」
僕は、ある冬の日の朝、彼女に振られてしまった。
重たい気持ちを背負いながら、仕方なく会社へと向かう。
僕の名前は、山下翔太。今日僕は、彼女に振られました。
ぼーっとした気持ちで、信号待ちをしていたら後ろから、背中を叩かれた。
「 よっ!おはよう 」
僕の背中を叩いた犯人は、同期の松田だった。
「 なんか今日オーラやばいよ 」
「 あぁ、ちょっと色々あって 」
僕は、松田に朝からの出来事を話ながら、会社へ一緒に出勤した。
今日はもうやる気も出なかった。中身が抜けてしまったように、何も僕の頭に入ってこない。会社にいる時も、何度も何度も携帯を確認してしまっていた。
彼女から、当然連絡が来る事はなかった。
ーー夜になり、会社から出た僕は、いつも通り、いつもと同じ道を帰っていた。
自宅の近くに来た時だった。
通い慣れた道を歩いていたら、冬なのに暖かい風と共にふんわりと花の香りがした。
瞬きをし、目を開けた瞬間、目の前に不思議な光を放っている、バーが現れていた。
「 あれ?こんな所にこんなバーなんかあったかな? 」
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