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タイミング

　いつから好きだったんだろう？

　ふとそう思って記憶を辿ってみる。

　初めて喋ってみて楽しい人だなと思った。私が困っていたら助けてくれて優しい人だなと思った。笑顔が可愛くて少し抜けてるとこもあるけど時にはかっこよくてどんどん彼のことを好きになっていった。

「ねぇ、私のこと好き？」

「何、いきなりどうしたの？」

「聞いてみただけ」

　そう言うと彼は少し微笑んだ。

「うん、好きだよ」

　そっと私の頬を撫でる。それだけで気持ちが明るくなって幸せな気分になる。

　照れ臭くてくすぐったい。照れ隠しに少し背を向けると聞いといて照れんなよと言って怒られた。

　たまにはいいじゃん。聞きたかったの。

「私も好きだよ」

　ちゃんとそう言えば彼は照れてるのか読んでいた雑誌に目をやった。

　いつから好きになったか？

　答えは意外と簡単だと気がつく。

　“出会った瞬間から好きだった”