明日なんか来てほしくない

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明日なんか来てほしくない

 明日からの仕事を思うと憂鬱で眠れない。このまま仕事を辞めて自由になりたい。やりたいことも沢山あるはずなのに僕は今、ここで何をしているのだろう。布団の中で自問自答を繰り返す。  明日なんか来てほしくない。明日に希望なんてない。しかし、どれだけ願ったって明日は来る。来てしまうのだ。このまま眠れば朝が来て、いつものように日常が始まる。  でも、本当に明日が来ないとなると僕は一体どう思うのだろう。本当にそれで良いのだろうか? 僕は幸せなのだろうか?  答えなんて分かりきっている。仕事はしたくないけど死にたくもない。僕はわがままな人間だ。  僕は布団の中で寝返りを打つ。ボーッと暗闇の中、うっすらと見える時計の秒針を見つめる。その瞬間、急に自分の中で腑に落ちた。  僕が生きている限り、僕は何にだってなれるのだ。縛り付けているものなんて何も無かったということに今更気がついた。それに気がつくと今まで考えていたことが馬鹿馬鹿しく思えてきて少し笑ってしまった。  この悩みも苦しみも、自分次第で幸せに変えることが出来る。  僕は明日への希望を胸に眠りについた。
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