382人が本棚に入れています
本棚に追加
あたしの意識、あたしの気持ち、
あたし…
全部、ほどけていく。
あたし、悩んでたのに、
なんか、
全部、全部、解けて、いくの。
****
「日和ちゃん、起きて?」
大津くんの声で、目が覚めた。
なんか、頭真っ白。
「日和ちゃん、よう寝てたね。気持ち、落ち着いた?」
「うん…」
全部、もういいの。
何も考えたくないの。
大津くんはあたしの頬をそっと撫でた。
温かな、手。
「いつでも、俺んとこおいで?
全部俺が受け止めたるよ、日和ちゃんの嫌なもん、俺が消してあげる。」
大津くんが、消してくれる…
「うん。」
大津くんの手に、自ら頬を寄せた。
頭、からっぽ。
体も、軽い。
ふわ、ふわ。
大津くんはあたしの頭をポンポンとした。
「ん、ええ子やね。
もっともっと、楽になり。」
目を細めて笑う大津くんの顔が何故かだぶる。
楽に………
ぼーっと立っていると、大津くんはあたしの頭をもう一度、ぽん。
「ほな、もう家に帰り。寄り道はあかんよ。
…またね?」
「うん…」
帰らなきゃ。
大津くんが言うから、帰ろ。
最初のコメントを投稿しよう!