14匹目!!

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「ただいま…」 家に着くと、兄貴が玄関まで出てきた。 「ひよ!お前また連絡もなく遅く、……ひよ?」 兄貴が、訝しい顔をしてこっちを見てる。 そして、あたしの顔を覗き込んできた。 「ひよ、なんか、あった?」 「…遅くなって、ごめんなさい。」 「は!?おま、え、謝るって、」 今度は、酷く驚いてる。 ぼんやりと、兄貴の顔が目まぐるしく変わるのを眺めて、 …部屋に、行こ。 「ちょっ、ひよ、話終わってねぇ、ひよ!」 …ぱたん。 **** 次の日。 朝、洗面所で歯磨きをしていると、兄貴がやってきた。 そして、あたしの腕を掴む。何だろう。 「なに、」 「何じゃねぇよ、お前どーしたわけ? 気持ち悪りぃよ、目は虚ろだし妙に素直だし、気になるだろうが、なんかあったなら言え。」 兄貴は、必死な顔であたしを見てる。 歯磨き、まだ途中なのに。あたしは口の中の泡を吐き出して、口をゆすいだ。 「おい、ひよっ、」 「何もない。離して。」 何を、そんなに騒いでるの? 兄貴は顔を歪めた。 「ふざけんな、お前自分の顔鏡で見ろよ、腑抜けてんだよ、…ん?」 あたしの手首のブレスレットを見た兄貴。 キラリと、パープルの石が光る。 「ひよ、こんなのつけてたっけ?」 兄貴に、ブレスレットについて触れられた瞬間、警戒心が、溢れだした。 バッと兄貴の手を振り払って、兄貴を睨む。 「触らないで、ほっといて。」 ブレスレットに、触れないで。 これは、大事なものなの。 触れないで、 ……触れるな、触れるな!!
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