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「ていうか?何、瀧本くん一人でひよちゃんたちの巫女さん見に行ったんでしょ?
は、どういうこと?写真は?ねぇちょっと、」
とりあえず、写真よこせ。話はそれからだ。
僕がフンッ!と手を突き出すと、瀧本くんは勝者の笑み。
「写真なんかねーよ、残念でしたぁ~、」
はいいいいいいいっ!!?
巫女さんのひよちゃんを目の前にして写真なし!!?馬鹿なの!!?これだから駄犬はっ!!
「はあっ!?この役立たず!!!!」
僕がズバッ!!!と言い捨てると、それでも瀧本くんは余裕の表情!
「何言っても写真は出てこねーけどな!!!」
こいつ、ナマみたからって調子乗ってるううう!!!!
こんっの顔!!!むかつくむかつくっ!!!
それならいいもん、僕は瀧本くんには到底できないことしてやるもんっ!
僕はひよちゃんの方をキッ!!!
「いいもんっ、僕はナマひよちゃんを堪能するもーーーん!!!」
こう言って、僕はひよちゃんをむぎゅぅと抱き締めた。
ざまーみろ、瀧本くんは素直じゃないから、こんなの出来ないでしょっ。
ひよちゃんって態度は果てしなくデカいけど、体は小さいから抱き締めるとすっぽり腕の中に収まるんだ。
小動物みたいで可愛いよね、ウサギの僕が言うのもアレだけどっ。
瀧本くんは僕たちを見て目を三角にしてきましたっ!
「てめっ、卯月!!何勝手なことしてっ、」
ふふんっ、羨ましいだろ、ざまぁ。
僕はよりいっそうひよちゃんを引き寄せてクスッと笑った。
「別に瀧本くんに許可とる必要ないもーんっ、ひよちゃん、あったか、」
ピリッと、
いつもなら感じない緊張感がひよちゃんから流れてきた。
それと同時に、本能が『離れろ!!』って警報を鳴らして。
思わず、ひよちゃんから勢い良く離れた。
…え、
今の何………??
「光?」
ひよちゃんが不思議そうにこっちを見てきて、あ、やばっ……
「あ、いや、」
「光、どうした?」
ひよちゃんは、いつも通りの態度でキョトンとしてるけど、なんでだろ、ひよちゃんに近寄っちゃいけないって、僕の体がひよちゃんを拒絶してる。
「ううんっ、何でもない!僕クラスに戻るね!
じゃ!!」
一体、なんで……!?
慌てて自分のクラスに逃げながら、まだ落ち着かない心臓を抑えた。
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