15匹目!!

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瀧本くんも僕がなんですぐに離れたのか理由を理解したらしくて、思いっきり怪訝そうな顔をした。 「どゆこと?まさか、梅田から肉食動物の匂いでもしたわけ??」 「してないよっ!!ひよちゃんは普通の人間だもんっ!人間だけ、ど……」 なぜか、逃げなくっちゃって、体が反応した。 僕だって訳わかんない。 瀧本くんはここで大きなため息をつく。 「ていうか、それ、変だなって感じた時点で俺に言えよ…」 「そんなこと言ったって僕だって何が何だか分かんないし、変に騒いでもアレだし、とりあえず様子見よって思って…」 そしたら、ますますひよちゃんが変になってた訳ですが。 僕と瀧本くんの間に、しばらくの沈黙。 沈黙を破ったのは、瀧本くんだ。 「とにかく、梅田に何か起きてると思う、俺は。 …ていうか、梅田、今すっごく冷たいし、このままじゃ、……やだ。」 しゅん、とした瀧本くんは、とっても寂しそう。 何かひよちゃんに言われたのかな? 「ひよちゃんに何か言われでもしたの?それか突き放されたとか。」 僕が何の気なしに訊くと、瀧本くんは本当に苦しそうな顔で無理矢理笑って「両方だよバーカ。」と答えて。 ……うわっ。 「あの、うん、お気を確かに……」 僕は何て声をかけていいか分からなくて、なんか変なこと言っちゃった。 瀧本くんは少し目を伏せたけど、すぐにキッと僕を見てきた。 「今日の放課後、梅田にもう一度声かけようと思うけど、卯月もくる?」 僕も……? そうだね、ひよちゃんのこと心配だし… 「うん、行くよ。」 僕も、行く。 こうして、ここに犬と兎の同盟が誕生しましたっ。 誕生したのに、その日、ひよちゃんはなんといつの間にか早退して、放課後にはすでにいなくなっていました。 ひよちゃん……!?
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