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「瀧本くんのばかっ、ちゃんと見張っときなよ!」
放課後、僕が瀧本くんを廊下に連れ出してぷくぷく頬を膨らませると、瀧本くんが焦った様子で言い返してきた。
「んなことできるかっ!
っとに、いつの間にか早退とかアリかよ、梅田…」
瀧本くんはこう言って視線が落ち着きなくウロウロ。
どうしよう、志摩さんとかひよちゃんと仲良いよね、志摩さんに何か知ってるか訊いてみようかな?
「ねえ、ちょっと。」
ふえっ?
僕たちが振り返ると、そこにいたのは僕のクラスのブタ女、飯塚さん。
ブタって知るまでは飯塚さん怖かったけど、ド変態な子ブタって分かってからはもう怖くないもんね~っ。
飯塚さんは眼鏡をキランッとさせて、瀧本くんの方を見た。
「瀧本くん、随分と趣味の悪いプレゼントを梅田さんにしてるのね。」
「はぁ???」
瀧本くん、『何言ってんのコイツ』と言わんばかりの反応。
僕もワケわかんなくてきょとーーんっ。
「何の話だよ、俺、梅田に何もあげたりとかしてないけど。」
瀧本くんが怪訝そうな顔で言うと、飯塚さんは「あら、違うの?」と三つ編みを肩から払った。
「てっきり瀧本くんがあげたのかと思ったわ、あの厭らしいブレスレット。」
はい???
「「ブレスレット??」」
うわっ、最悪、瀧本くんとハモった。
瀧本くんも嫌そうにこっちをジロリッ。僕だって嫌だっての!
っていうか、
「ブレスレットって何?」
そうそう、それ。
瀧本くんが眉間に皺を寄せて訊ねると、飯塚さんも眉間に皺を寄せた。
「は?
あんた達、梅田さんがブレスレットつけてるの気付いてないの?
ていうか、あれ呪具よ。」
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