画像付き完全版【福の神のお使い・2】お社の小さな首。

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 "キヨメ"  それは亡骸や汚物を片付け、場を清める役をする者のことだった。 5c263be7-394e-410c-8696-21046f5c6ccf  特に清浄を常としなければならない神社には重要な役割で、条介たち "えびすかき" も、戎社近くにそのようなものがあれば片付けた。  人々が恐れから嫌ったそういう役目は、"神の使いである特別な存在" だからこそ、彼らの仕事の一つとされていた。 「お前らも後でまた来よか。今は見んでええ。えびすかきが片付けるから一旦戻ろか」 「……帰らなあかんの……?」 「ケガレは感染(うつ)るからな」  死というものが恐怖の対象だった日本の中世。死の(けが)れは伝染すると信じられていたため、人々は亡骸に触れる事を徹底的に忌避した。  村の大人たちの言葉を聞いて、子ども達はしょんぼりしてシマオ達を見た。 a15ca207-9b04-4c82-a801-402af66e82e5 「……後でな」  シマオは静かにそう言いながら、条介の荷物を持つ手にギュッと力を入れた。
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