雨のりゆう

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  """"""""""""""""""""""""""""""  次の日も雨だった。カーテンの向こうはしとしとと、線の細い雨が糸のように天から落ちている。部屋の中を見れば、今日は朝から龍が浴槽からでており、腹を上にしながら泳いでいた。  ここ最近、天気予報はずっと傘マークが表示してしない。記録的な長雨と特集を組んでたが、このままだと来週も同じ内容で放送できるに違いない。 「うーん、洗濯物を外に干したかったんだけどなあ」  湿気のせいでなかなか洗濯物が乾かず、シャツも嫌な臭いが取れにくくなってきた。布団もしっとりと水気を含んできてすっきりと寝れない。乾燥機か除湿器が欲しいが、そんな金はない。 「龍を見せ者にしたら、小金が入らないかな」  そう言った途端、腹を見せていた龍がくるりとひっくり返り、そのまま僕の顔に水を吐いてきた。 「……洗濯物が増えた」  やっぱり言葉は理解しているらしい。そして冗談は通じないようだ。  濡れた服を着替えて戻ってくると、携帯が点滅しているのに気が付いた。メールだった。彼女からだ。  今日、お昼食べに来ない? とのことだった。すぐ行くと返す。そういえば、龍のことを伝え忘れていたな、と思い出した。僕が向こうの家に行くことはあっても、向こうがこちらに来ることはあまりないので、すっかり忘れていた。 「なあ、今から彼女の家にいくけど、お前もくるかい?」  現物を見せた方が早いと思ったのだが、龍はふいと首を振り、そのまま浴室へと向かっていく。行かない、ということだ。何度誘っても外へ出ないのだが、外が嫌いなのだろうか。  ちょっと早めにでて、デザートを買って彼女の家に向かう。僕のところの安いアパートと違い、彼女のところはオートロックのしっかりとした造りのマンションだ。女性の一人暮らしだから当然なのだろう。エントランス前のインターフォンで彼女の部屋の番号を押す。彼女の声が聞こえ、僕が挨拶をするとすぐにドアが開いた。管理人さんに挨拶をして、エレベータに乗る。彼女の部屋は四階だ。
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