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アキバの織田軍
感染症がこの国にも
広まってからというもの、
すべての歯科医院が平等に
不利な状況となった
秋葉原の一等地で
オタク相手の接客に長けた風雲児さえ、
この状況は赤字を出した
「・・・・・・・暇」
あれだけいた従業員を
すべて切り離し、
知り合いという特権で
10×医院の稲荷神を安月給で雇うも
患者が感染リスクを怖がり
来ても痛みだけ止めて終わりという
最悪のパターンがスタンダードと化した
「・・・・・お前の所も
PCR検査はじめれば?」
狐が受け付けレジカウンターで
だらりとつぶやいた
「・・・あれは診療所では
できないんですよ」
織田が電気ポットから
マグにお湯を足しながら返した
「・・・元々、僕の長所は技巧だし、
そこらへんのサービス強化しても
あんまり期待できないんじゃない?」
「・・・・・なんだ、その余裕」
狐がムッとした
「・・・お前、俺には
セックスの時
ああしろこうしろ
よくわからないことを
延々と要求するくせに
昼間はほんと憎たらしいよな」
「・・・ケモナーの性癖なんて
神だろうと永遠に読めないでしょうよ
実際、あの鬼畜10×が
僕の心理に接触しようとして
途中でリタイアかもしたんですから」
狐が唖然とした
「・・・・・10×様に
そんなもの読ませたのか」
「彼が勝手にしたことですよ
あれは、誰でもいいから
ぶん殴りたいタイプですから」
白湯を飲みながら
ニヤリと笑った
「カウンター食らわすくらい
別にいいでしょ」
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