わたしと専務のすごくヒミツの話

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わたしと専務のすごくヒミツの話

   寝ていた……  爆睡していた。  なんということだ!  目を覚ました京平はリビングに差し込むオレンジ色の光を見て、激しいショックを受けていた。  のぞみに学校でプロポーズをして帰ってきたその日。  ほとんど寝ずに車で往復したので、家に帰るなり、ソファに倒れ込んで寝てしまったようだった。  外は、既に夕暮れどき。  ああ、なんということだ。  新婚第一日目だというのに。  そう憂いながら、京平が振り向くと、のぞみは少し離れたテレビの前に居た。  こちらに背を向け、ラグに座っている。  自分が寝たので、しめしめと思ったようで、呑気に実家から運んできた荷物を出して、整理しているようだった。  鼻歌なんぞ歌いやがって。  後ろから、不意打ちで襲ってやろうか……。  そんな不埒(ふらち)なことを考えていたのだが、友だちにもらったとかいう白いマグカップを手に嬉しそうにしているのぞみは可愛らしく、そのまま眺めていた。
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