わたしと専務のすごくヒミツの話

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 樫山が、 「全部は渡さない方がいいぞ、自分の小遣いは取っておけ」 と言ってたな、とは思ったのだが。  のぞみの様子があんまり可愛らしかったので、うっかり全額渡してしまった。  ……将来、後悔するかもしれないが。  だが、震える手で受け取る様子が可愛らしく。  更になにかあげたくなってしまう。 「ああ、そうだ」 と京平は財布を開け、 「これはおまけな。  三億円」 となにかでもらった宝くじをのぞみが(かか)げ持つ通帳の上に載せてやった。  のぞみがちょっと緊張が解けたように笑う。  長く寝すぎたが、もう夜だ。  しめしめ。  逆に良かったかもな、と思っていると、のぞみが、 「あの、晩ご飯。  前一緒に行った中華のファミレスに行きたいですっ」 と言うので、まだ早い時間だが、二人で歩いていった。  少し呑んで帰ることにする。
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