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「ところで花梨君。少し顔が赤いようだが、もしかして具合でも悪いのかい？」
「え？」
言われてみれば確かに、さっきから身体が少し熱い。この会場に来るまでは全くそんなことはなかったのに。
「……少し酔ってしまったかもしれません。恥ずかしながら、アルコールに弱くて」
「ああ、そういうことか。恥ずかしいことなんてないさ。外に出て、少し酔いを醒ましてきたらどうだい？」
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて……」
男性達に頭を下げ、ゆっくりとその場から離れる。
しかし、さっきから自分が手に持っていたグラスの中身はジュースだ。酒に強くないのは確かだが、万が一にも粗相を起こさないよう、今日は一度もアルコールに口付けてはいない。
……となると、原因はまさかーー。
いや、そんなはずはない。
しかし、空になったグラスをウェイターに頼んで下げてもらってから、とりあえず会場となっているこの部屋を出た。
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