Three.もう一人の嘘吐きオメガ

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「そうなんだ。でも良かったじゃん! あ、じゃあ俺そろそろ行くわ。また連絡するから、おじさんとおばさんにもよろしく伝えておいて!」 晴はそう言って、僕達に手を振りながら去っていった。 晴の後ろ姿は、すぐに人混みに紛れて見えなくなった。 「明るい友達だな」 恭平がそう言ってくれて、僕も「うん。昔から明るい奴なんだ」と答える。 ーー施設で一緒に育ったのは、僕が両親に引き取られるまでの約二年間。 更にその二年後には、晴も里親が急に決まり、彼は遠くの地へ引っ越していった。 その為、晴と直接会える頻度はその頃から途端に減ったが、関係自体は疎遠になる事なく、離れ離れになっても手紙のやり取りをしたり、お互いにスマホを持つようになってからはメッセージを頻繁に送り合っていた。 そんなやり取りの中で、僕は自分がオメガである事を、晴には打ち明けた。そんな晴も同じくオメガだったのだが。 最後に会ったのは、一年前に晴が東京に遊びに来てくれた時だった。 仕事で地方に籠るから、しばらく会えなくなるかもしれないと言いに来てくれたのだ。 だから今日、久し振りに会えた事がとても嬉しい。しかも偶然とは言え、恭平に会ってもらう事も出来て本当に良かった。
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