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To be or not to be……
この者ががウソをつかなければ、この者の息子は殺されていただろう。
やっとこを持つ手が小刻みに震える。
舌を抜くべきか抜かざるべきか……
そう、男の名は閻魔。
こんな大任を未来永劫行わなければならない、己自身が無限地獄だ。
罪人を裁くという自ら背負う罪。
捨て去る事など出来ぬ定め。
…………。
我に返り、目前の罪人にまた意識を戻す。
そう。ウソをつかねば息子が殺されていたやもしれぬ。
だが、この者は今後も私利私欲の為、罪を重ねていったであろうことも事実だ。
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