英断の男

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 また始まった。  時折訪れる発作のような衝撃。  (うしお)の如く押し寄せる重責に身悶え、胸をかきむしる程だ。  ストレス社会?そんな簡単な一言で片付けて欲しくはない。  そして、そこら辺の奴らと簡単に比べて欲しくもない。  俺は耐え難い苦行を乗り越え、これだけ精神を鍛え上げてきた。  だが、それでもなお、磨り減り、切り刻まれる思いを繰り返しているのだ。  何度も。何度も。何度も。    俺はこんな職を本当に望んでいたのだろうか。  必死に登り詰めた結果がこれなのであろうか。  時々モチベーションを何処に持っていけば良いのかわからなくなる。  とは言え、今ここで投げ出す訳にもいかない。  そんな事をすれば…。
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