コンビニ

1/1
前へ
/5ページ
次へ

コンビニ

そして今じゃ、その世界観へと、どっぷり浸かってしまっている。 「 あぁー!この時間の為に私は生きている!幸せすぎる 」 毎晩、毎晩、私はそう呟いて、缶ビールを開けている。 音楽を聴く事も大好きで、毎日音楽をかけているが、音楽は、やっぱり、今どきの曲が好きみたい。そして、缶ビールの開ける音と音楽のコラボがたまらないのだ。 「 あれ、もうビールない! 」 私の唯一の楽しみが無くなってしまった。 ほろ酔いになり少しふらついていた私は、気づいたら、コンビニにへと向かっていた。 「 いらっしゃいませ 」 ビールをカゴに何本も入れ、オヤジくさいおつまみも次々へとカゴに入れいく。ビールには乾物が合うと勝手に思ってしまっている節がある。これは、おじいちゃんの受け売りなのかもしれないが。 そして、レジへと向かい、さっさとお会計を済ませたくて、店員をチラッと見たら、幼なじみの直也くんだった。 「 あっ…… 」 二人とも、同じ言葉を呟いてしまっていた。 お互いに、なんとなく覚えてるような表情をしていたが、私は買っている物が、買っている物だったから、急いで逃げるように、コンビニを出てしまっていた。 まさか……こんな所で再会してしまうとは。 「 うそでしょ、あのコンビニいつも行くのに、いつからいんの! 」 私は恥ずかしさと驚きで顔が真っ赤っかになり、心臓もバクバクとしていて、音が歩いている人達に聞こえてしまうんじゃないかと思うくらい、激しく動いていた。恋とは無縁の私は、こういうのは全く慣れていない出来事であった。 ガチャ…… ドアに鍵をさした途端の事だった。 「 あ。鍵開けっぱなしにしちゃってた 」 部屋の中を見た私は、驚いてしまう。 「 えっ、すみません 」 部屋の中に誰かいる。私は、ほろ酔いだったため、部屋を間違えてしまったかと思い、一回外へと出て、部屋番号を確認してしまう。 「 ……てか、ウチじゃん 」 鍵をかけ忘れてしまうことは、私にとって日常茶飯事だった為、その間に誰か入ってしまっている。 もう一度部屋へと入った私は、おそるおそる中へと入った。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加