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これは、もしかして。そう思った瞬間、大翔は中世の騎士みたいに片ひざをついて、後ろ手に隠していたものを差し出した。
「久美子さん、受け取ってくれますか?」
差し出されたのは、百本はありそうなバラの花束。ゆっくりと受け取ると、今度は小さな箱を取り出した。パカッと蓋を開け、中身を見せてくれる。そこにはダイヤのついた指輪が入っていた。
「おれと結婚してください!」
威勢よく叫んだところまではよかったのに、大翔は急に不安そうな顔になり、ちらりと私を見上げた。
「今回のプロポーズ、合格ですか? ちょっとベタすぎましたか?」
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