第二章

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「ずいぶん……年季の入ったアパートに住んでるんだな」 「あら、素直にボロいって言ってくれていいのよ」 湊斗と小夜は小夜の住むアパートの前に立っていた。 「それじゃあ、上へ上がりましょ。私の部屋は203号室よ」 キコキコと音を立てる階段を登り、二人は二階へ上がった。 「今、開けるわね」 そう言って私は屈んでドアの横に置かれている金魚鉢の裏に手を伸ばした。 「そんなとこに隠してたら空き巣に入られるぞ」 「盗るものなんて一つもないから大丈夫よ」 そう言いながら鍵を回しドアを開ける。 「いらっしゃい。本当に何もないけど」 先に部屋へ入った湊斗は案の定足を止めて部屋を見渡していた。入ってすぐのとこにキッチン、その奥に6畳の部屋と風呂場、洗面所があるだけの小夜の部屋は、ベッド以外の家具は何一つ見あたらない。 「ふふっ、そんな顔して突っ立ってないで入って。クローゼットの中に服くらいはあるのよ」 「あぁ、おじゃまする。真っ白な部屋に真っ黒なベッドとカーテンとは牢獄みたいだな」 クローゼットを開けながら湊斗は呟いた。 「色があると、なんだか落ち着かなくて。無駄な物は置きたくないのよ。あ、そこのパーカー適当に段ボールに詰めてちょうだい」 「こんなものかしら。ほとんど何もないけれど、少し疲れたわね」 手を止めて小夜が言う。 「そうだな、一休みするか」 そういって湊斗はベッドへ寝転がると小夜を手招いた。 「あら、これじゃあ余計疲れちゃうわよ」 そう言いながらも小夜はベッドの上の湊斗の上に覆い被さった。小夜が首筋を舐め、手を服の中へ潜り込ませると、湊斗がキスをして小夜を抱え込み上に入れ替わった。自分のシャツを脱ぎ、小夜の服のジッパーを下げ一気に脱がせた。小夜の肢体はカーテンを閉め切った薄暗い部屋でも分かるほどに白く艶めいていた。湊斗は唇を重ね、舌を絡めながら腕を小夜の身体の後ろに回し、ブラのホックを外した。左手で小夜の腕を押さえつけ、息のできないほどに舌で口内をかき混ぜ、右手は腹を滑った。そのこそばがゆい感覚に小夜がピクッと反応する。下半身まで下りてきた右手はショーツの上から陰部をなぞる。 「っん、、ぁあっ、、」 小夜は思わず身をよじり、太股を擦りあわせる。湊斗は唇を離すと、乳首の周りを入念に舐め、その真ん中で硬く立つ突起に軽く唇で触れた。 「っはぁ、あっ」 小夜の身体は期待から来る高揚感にピクンと跳ね上がり、分泌された体液がショーツに染みていった。 「……れて……早く、入れて」 潤んだ瞳で見つめる小夜の唇を湊斗は乱暴に塞ぎ、舌を絡めた。ショーツの上から指で突起を擦ると、物欲しそうに腰が浮き小刻みに動く。 「っん、あっ、ぁぁ、はぁっんっ、あっあっ、んんっ」 ショーツの上から擦るのを辞め、中に手を潜り込ませるとそこはグショグショに濡れて熱を帯びていた。 「あっっんあっ、あっそこ、んんっ」 硬く尖る突起に触れると小夜は激しく喘ぎ、腰をヒクつかせた。中指をそのヌメヌメとした肉の割れ目に挿入すると、肉壁が強く圧迫してきた。 「ぁあっっ」 指が体内へ入り、動く感覚に小夜は激しく悶える。 湊斗はピストンを止めると、指を抜き、小夜の脚を広げて間に入り、ショーツを脱がせていった。目の前に露わになった熟んだ果実は赤く、ヒクついて強請っていた。湊斗は中指と人差し指の二本を挿入し激しくピストンした。 「あっ、あっ、あっ、あっ、ぁあっ、んっはぁっ」 小夜はのけぞり、指の動きと共に激しく喘ぐ。 湊斗は一気に指を引き抜くと、ベルトに手を掛け、下半身を露わにした。素早くゴムをつけると、無言で小夜の中央を貫く。 「ああっんんっああっっ」 小夜は一気に迫る快感の波と、湊斗の逞しいそれに肉壁が押しのけられる感覚にシーツを握りしめた。 パンッパンッパンッ 荒々しく腰を打ち付けられ、涙目で喘ぐ。段々と早くなるピストンに小夜の身体は大きく揺さぶられ、湊斗も苦しそうに息をする。 「っはぁ、ぁ、っはっぁあ」 「っああっっんぁっ、いっ、イグっっんっぁっ、あああっっんっ」 あまりの快感に無意識に腰を振る小夜に湊が容赦なく深く打ち付け射精したのと同時に小夜の膣はきつく締め付け、仰け反って痙攣した。 「コンビニでも行くか」 そう言って湊斗は立ち上がると散らばっていた服をかき集めて素早く着替えると財布を持った。小夜もそれに応じてベッドの下に乱雑に散らばる下着を拾い身につけてパーカーに袖を通した。 「少し早い引っ越し蕎麦でも食うか」 「そうね」 ピッ ピッ 「あ、あと127番もください」 「お前、タバコなんて吸うんだな。しかもかわいげのないやつ」 二人は蕎麦と酎ハイと小夜のマルボロメンンソールを買うと店を出た。 「俺にも一本くれよ」 ふたりで煙を漂わせながら街灯のぽつぽつと灯る道を歩く。 小夜の家へ着くと黙々と蕎麦をすすり、キャリーバッグに荷物を詰めてガランとした寂しげな部屋を後にした。
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