第二章

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目を開けると、見知らぬ天井が見えた。最初はいつものようにホテルにいるのだと思ったが、少し体を起こし、部屋を見回したところで記憶が追いついた。閉じられたカーテンから少し光が漏れている。スマホを見るともう朝の4時になる頃だった。ほぼ一日中寝ていたらしい。リビングへ向かうと、湊斗がソファーで寝ているのが見えた。どうやら私に気を使ってくれたようだ。しゃがんで顔をのぞき込んで見ると、まるで小さな子どもかのように無防備に寝息を立てていて、顔を近づけてみるとたばこと香水の混ざった甘い香りがした。 「おはよう湊斗、朝よ」 耳元でそっと囁いてみると、湊斗のまつげが少し震えたがまたすぐに規則正しく寝息を立ててしまった。
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