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覇権国家になりうる程の実力を十分に蓄えたイギリスは、18世紀に入ると、スペイン継承戦争からオーストリア継承戦争にかけての約半世紀の間で、一気に勢力を拡大していった。
ヨーロッパでも勝利を重ね、インドでも、そして北米でも勝利を重ね、
その度に広大な領土と、それに伴う様々な利権を次々獲得していった。
多くの勝利がヨーロッパにおけるイギリスの威信を加速度的に高め、
勝利に付随する利権がイギリス経済の成長を支えていった。
そうして18世紀も中盤になると、イギリスの地位は殆ど揺るぎないものと
なり、その地位に挑戦しうる国家はフランスだけとなったのである。
イギリスは覇権まであと一歩のところにいた。
17世紀の頃、イギリスに対し圧倒的な優位を保っているように見えたフランスも、この頃には最早、イギリスに対する常勝を期待し得なかった。
むしろ敗北する公算の方が大きい、というくらいの状況に追い込まれていたのである。
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