第2章(片想い)

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あれから二日経ってもこういちは現れなかった。 (ルナ、もうこういちのことは諦めて夢の国に行こうぜ。この公園の近くの浄化はほとんど終わったことだし……) (あと一日だけ待って。あんなイケメンにはもう二度と出会えやんかも知れへんやん) (はぁ、お前なぁ……) レイはその場で項垂れた。 (あれ?こういちじゃないか?) 公園の横の道を駆け抜けるこういちを見た二人(一人と一匹)はその後を追った。 こういちは女の人の手を掴み、何か言っているようだがルナ達には聞こえなかった。 女の人はこういちの手を振り払って走り去った。 残されたこういちはその場に留まっている。 (ルナ、どうする?) (そんなん行くに決まってるやん) (ちょっと待てって。お前は空気が読めないのか?) レイはルナのズボンを噛んで引き留めようとしたが、ルナの力に勝てる訳がなかった。 (空気読んでる場合ちゃうわ) ルナはレイを引きずりながらこういちの所まで行くと、こういちの腕を引っ張って、きた道を戻った。 「え?」 怪力のルナに、こういちとレイはただ黙って着いていくという選択肢しかなかった。
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