第2章(片想い)

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こういちは先程のいきさつを簡潔に話した。 「そうなんや。こういちさんはそうこさんのこと本当に好きなんやな……。悔しいけど。でも前では素直になれないんか……。悔しいけど」 (ルナ、心の声が所々漏れてるぞ。それに関西弁に戻ってるし……) (レイは黙ってて、ややこしくなるから) (お前なぁ、俺もまぜてくれよ……) (じゃ、まぜてあげるから、喋らんとじっとしといて) レイはその場で固まるしかなくなった。 「こういちさん、ちゃんと話してくれてありがとう。じゃ、そのお礼にとっておきの私の秘密を教えてあげる」 「ルナちゃんの秘密?」 (おい、ルナ。大丈夫なのか?) 「ワン!」 「し!」 ルナは人さし指を口の前に立てて、レイを睨んだ。 レイはブルッと震えて、口を固く閉じた。 「実はね、私は魔法使いなんよ。誰にも言うたらあかんで。二人だけの秘密にしといてな」 レイは(俺もいるけどなと)反論したかったが、今回は我慢することにした。 こういちは苦笑いをして頷いた。 「うん、分かった」 「じゃ、これからこういちさんの願いを叶えるために魔法をかけるわ」 「はいはい。ルナちゃん、冗談はもういいから」 そう言って、こういちはベンチから立ち上がろうとしたが、またしても体が動かなかった。 今の状況を理解したこういちは、ルナに付き合うことを決意するしかなかった。
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