第2章(片想い)

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ルナとレイは公園のベンチにすわって夕日を眺めていた。 ルナの目は赤くなり、まぶたは腫れていたが、涙はもう流れていなかった。 (初恋は実らないって、本当なんやな) (え?こういちが初恋だったのか?) (そうやけど、何か文句ある?) (いいえ、ありません) ルナに睨まれたレイは、目をそらして遠くの方を眺めた。 (あぁ、もうあんなイケメンに二度と会えやんのやろうなぁ。ほんまに悲しいわ。応援なんかするんじゃなかった……) (お前、それは言い過ぎだろ) (うるさい。分かってるわ。ちょっと言うただけやんか) レイは真剣な表情でルナの方を見た。 (ルナ、この際だからいうけど、俺達は人間に記憶されない存在なんや。もしそれを望むんだったらもう関わるのはやめろ) (そんなこと、言われやんでも分かってるから黙ってて) ルナの目からまた涙が溢れ出した。 その様子を見たレイは驚いて黙るしかなかった。 それから二人は何も話さずただただ夕日を眺めていた。
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