第2章(片想い)

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次の日、二人(一人と一匹)は夢の国にむけて出発することにした。 ルナは腫れ上がったまぶたを、冷たいタオルで押さえている。 (ルナ、今後は俺に任せてくれないか?犬だし、鼻がきくだろう) (鼻がきく?意味分かれへんわ。寝言は寝て言えってことわざ知ってる?) (知らないけど?) (知らんのやったらいいわ。無駄口たたいてないでさっさと歩かなほっていくで) (待てよ。お前、機嫌が悪いのか?もしかしてまだ怒ってるのか?) (うるさい!) ルナはまぶたを押さえていたタオルをレイに向かって投げた。 レイは何とか避けて、ルナの後を追った。 (危ないだろ) (じゃ、黙って着いてこい!) (お前なぁ……。で、この道の先は本当に夢の国に繋がっているのか?) (そんなん決まってるやん。私はルナ様やで) 二人はまたしても夢の国からどんどん遠ざかっていた。 ルナが方向音痴だと気づく日はくるのだろうか? 一体いつになったら二人(一人と一匹)は夢の国に辿り着くのだろうか? 今度はどこに向かっているのだろうか?
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