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「お腹も大きくなったことやし、運動がてらにこの公園の浄化でもしとくか~」
ルナは大きく腕を伸ばして、深呼吸した。
(俺はお腹がぺこぺこなんだけど気のせいかな?)
(気のせい、気のせい)
(はぁ……)
レイは残りの気力を振り絞って立ち上がった。
二人(一人と一匹)は手分けして、公園の浄化に励んでいると、ため息をつきながら先程の美女がふらふらしながら通りすぎた。
(やっぱり綺麗だ)
レイは口を開けてただただ見惚れた。
(どこがよ)
ルナはレイを睨み付けた瞬間、公園の出口でいきなりその美女は倒れた。
レイは慌てて駆けつけたが、何も出来ない。
ルナはひたすら浄化をしている。
(おい、ルナ。お前見殺しにするつもりじゃないだろうな。いくらこの人がお前より綺麗だからってそれは違うだろう)
(うるさい。私には関係ないし)
(嘘だろう……)
レイは大きく深呼吸をしてゆっくり息を吐き出した。
(ルナ、俺が悪かった。お前の方が10倍いいや、100倍綺麗だよ。俺はどうかしていたみたいだ。本当に申し訳ございません)
ルナはレイの方を振り向くと、にっこりと微笑んだ。
(しゃーないなぁ。間違いを認めたから今回だけは許しちゃるけど、次はないから)
(ありがとうございます、ルナ様!)
ルナは大きく鼻から空気を吸うと、ゆっくりと口から息を出した。
そして、美女の体に手のひらを向けた。
美女の体は地面から少しずつ浮いていき、ベンチの上に移動した。
ルナの掌から出た光は、美女の体全体に降り注がれている。
光のカプセルのように次第に輝きを増し、少しずつ消えていった。
しばらくして、美女はゆっくりと目を開けた。
「え?ここは?」
美女は驚いた顔で目の前の二人(一人と一匹)を見つめた。
「あの……」
「あんた一体なんなん?」
ルナは美女を睨み付けて低い声で言った。
(ルナ、いきなり何を言うんだよ)
「え?何?」
美女は初対面の、しかも子供に睨み付けられている光景に納得がいかなかった。
起き上がりながら、ルナに向かって暴言をはいた。
「そう言うあなたは何?」
「はぁ、命の恩人に向かって、なに言うてんの?何様?」
(ルナ!)
(私が悪いん?)
「助けてなんて言ってないけど」
レイは二人の回りをウロウロするしかなかった。
美女はルナを睨み付けて、その場から早足に立ち去っていった。
(何なん、あの女。性格悪すぎやわ)
(ルナが先に仕掛けたんだろ)
(私が悪いって言いたいん?)
(そういう訳じゃないけど……)
ルナはレイを睨み付けて、残りの浄化を始めた。
レイは深いため息をついて、ルナを見つめた。
その日の夜、レイはルナの愚痴を夜通し聞くことになったのは言うまでもない。
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