第3章 (彼氏との仲)

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美女の名前は河田ちひろといった。 この近くに住む大学生だった。 ちひろは下を向いたまま、ゆっくりと口を開いた。 「彼氏と別れないと……」 彼氏とは、かいとという名前の同級生だった。 (え?) レイは目を輝かせた。 (喜んでもあかんで。あんたにチャンスが訪れることは一生ないんやから) ルナはにやっと笑った。 でも今のレイには何の効果もなかった。 それ程ちひろに夢中っだったのだ。 「理由は?」 「……特に」 「はぁ?理由もないのに別れたい?あんた何様なんよ。綺麗やから何してもいいっていうん?」 ルナは立ち上がってちひろの腕を掴んで立たせた。 「もう歩けるやろうから帰れば」 「私のこと何も知らないのに……」 ちひろはそう言うとよろよろとしながらテントを出て行った。 (ルナ、お前なぁ) レイは慌てちひろを追いかけた。 「なんよ、また私が悪いん?失恋した人の気持ちは?もう、ほんまになんなんよ!」 ルナはテントから出て二人(一人と一匹)を追いかけた。
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