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「じゃ、始めるで」
「え?」
ちひろは驚いた顔でルナを見て慌てた。
「いいから、私のいう通りにして」
ルナの真剣な顔を見て、ちひろは覚悟を決めて頷いた。
「目を閉じて。手の平を上にして膝の上に置いて、楽な姿勢で、まずは深呼吸から。鼻から大きく息を吸って、口からゆっくり息を吐いて。もう一回、鼻から大きく息を吸って、口からゆっくり息を吐いて。それを何度か繰り返して」
ちひろはルナのいう通りに身を任せた。
ルナも深呼吸をし、心を落ち着かせた。
「そしてかいさんと回りの人に振り回されることなくどうしていきたいのか具体的にイメージして。わくわくうきうきする感情を忘れやんといてね」
ルナはそう言うと、ちひろの頭に向かって手をかざした。
ルナの手から光が出て、ちひろの頭上からその光が体の中に入っていき、黒い煙のようなものが足の先からどばどばと出てきた。
ルナはその黒い煙を空に向かって投げると、その煙は金色に変わり宇宙に消えていった。
「イメージしたことが現実になるからポジティブな感情でいっぱいにして」
ちひろは次第にルナのペースにのせられて、かいとと笑って過ごしているイメージをしていた。
回りの人もみんな笑顔になっているイメージに心地よささえ感じられた。
ちひろの顔が笑顔になり、ちひろ自身が光に包まれていった。
その光景をルナとレイは静かに見守った。
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